目次
カスペルスキー パスワードマネージャーがデータを保護するしくみ
ストレージについて
ストレージは、アカウント、メモ、その他のデータをすべて含む暗号化されたファイルです。既定では、ストレージは %LocalAppData%\Kaspersky Lab\Kaspersky Password Manager にあります。
セキュリティ上の理由から、一定時間以上操作をしなかった場合、またはスクリーンセーバーがオンになった場合、ストレージは自動的にロックされます。ストレージにアクセスするには、メインパスワードを入力する必要があります。この方法でデータを保存することにより、カスペルスキー パスワードマネージャーがインストールされた端末を紛失したり盗まれたりした場合でも、大切な情報の安全性を確保できます。
暗号化について
カスペルスキー パスワードマネージャーは、Advanced Encryption Standard(AES)に基づく対称キーアルゴリズムを使用してデータを暗号化します。キーは、Password-Based Key Derivation Function 2(PBKDF2)を使用してメインパスワードから派生します。
AESアルゴリズムは機密データを保護するために世界中で使用されています。このアルゴリズムはRAM要件が低いため、データを数秒で暗号化または復号化することができます。
メインパスワードを入力します。
メインパスワードは、カスペルスキー パスワードマネージャーに保存されているすべてのパスワードや大切な情報を保護するために本製品で使用されるただひとつのパスワードです。カスペルスキー パスワードマネージャーの初期設定時にメインパスワードを作成します。データが保存されたストレージにアクセスするには、メインパスワードを毎回入力する必要があります。ストレージ内のデータは、メインパスワードを使用して暗号化されます。
メインパスワードには、大文字、小文字、数字、および特殊文字を8文字以上組み合わせて作成された強度の高いパスワードを使用することをおすすめします。
セキュリティ上の理由から、お客様のメインパスワードは端末およびクラウドストレージのいずれにも保存されません。メインパスワードは復元できないため、メインパスワードを記憶するか、メモして安全な場所に保管することをおすすめします。
メインパスワードを忘れると、保存したデータにアクセスできなくなります。メインパスワードを忘れた場合は、新しいストレージを作成して、新しいメインパスワードを設定する必要があります。そのあとで、新しいストレージに新しいデータを追加することができるようになります。
カスペルスキー パスワードマネージャーに保存できるデータの種別
カスペルスキー パスワードマネージャーでは、さまざまな種別のエントリを追加できます。また、エントリをフォルダに移動して整理することもできます。
アカウント
Webサイトおよびアプリ
Webサイトまたはアプリのアカウントは、Webサイトまたはアプリケーションへのログイン時(ユーザー認証時)に必要となるログインIDとパスワードの組み合わせです。
Webサイトの場合、カスペルスキー パスワードマネージャーのエントリに次の情報を保存できます。
- Webサイトの名前:わかりやすいWebサイト名を使用すると、編集またはログインするWebサイトをすばやく見つけることができます
- Webサイトのアドレス:カスペルスキー パスワードマネージャーは、このフィールドを使用してWebサイトのログインページを認識し、ログインに使用できるアカウントを表示します
- アカウント:1個のWebサイトに対して複数のアカウントを保存できます(同じメールプロバイダーで個人用とビジネス用のメールアドレスをお持ちの場合など)
アプリケーションの場合、次の情報をエントリに保存できます。
- アプリケーション名:わかりやすい名前を使用すると、必要なエントリをすばやく見つけることができます。
- アカウント:1個のアプリケーションに対して複数のアカウントを保存できます。
すばやくアクセスできるように、Webサイトのアカウントとアプリケーションのアカウントは個別に保存されます。
その他
その他は、あらゆるアカウント種別に使用できます。[Webサイト]および[アプリケーション]のアカウントとは異なり、このアカウント種別には[ログインID]および[パスワード]のフィールドのみが含まれています。なお、[パスワード]フィールドの入力は任意です。ここには重要な暗証番号やパスワード(Wi-Fiのパスワードやドアの暗証番号など)を保存できます。
クレジットカード
クレジットカード番号、暗証番号、カード発行元のカスタマーサポートの連絡先、その他の詳細情報をカスペルスキー パスワードマネージャーに追加できます。
住所
住所、名前、メールアドレス、電話番号を住所のエントリに保存できます。
ドキュメント
重要なファイル(パスポートなどの身分証明書をスキャンしたファイルやPDFなど)をカスペルスキー パスワードマネージャーに追加して、安全に保存できます。追加したファイルは、必要な時にいつでもどこからでも参照できます。
メモ
あらゆる種別のテキスト情報をメモとして保存できます。
他の種別のデータと同様に、メモは暗号化された状態で保存されます。
クリップボードを使用して、メモの内容をコピーしWebページまたはアプリケーションに貼り付けることができます。
複数端末でデータを同期する
マイ カスペルスキーに接続している場合、端末のストレージにデータを追加すると、このデータは自動的にクラウドストレージに送信されます。その後、クラウドストレージから他の端末(カスペルスキー パスワードマネージャーがインストールされ、同じマイ カスペルスキーアカウントを使用してマイ カスペルスキーに接続している端末)に送信されます。すべての端末でデータを最新の状態に保つことにより、端末を交換または紛失した場合にデータを復元できます。自動同期は既定で有効になっています。
自動同期が有効になっていても、端末上のデータが同期しない場合は、データを手動で同期することができます。
カスペルスキー パスワードマネージャー 10へのアップデート後に端末間で同期する
カスペルスキー パスワードマネージャーをバージョン10以降に更新すると、データのストレージがより「柔軟」になります。複数の端末で異なるバージョンの本製品を使用している場合でも、端末間でデータを同期できるようになります。
エントリの種別とプロパティは、バージョンによって異なる場合があります。たとえば、ドキュメントのファイルはWindowsを実行しているデスクトップパソコンでは分類できますが、モバイル端末では分類できません。
次の場合、一部のデータを利用できないことがあります。
- 新型エントリを追加する場合、または以前のバージョンには存在していないフィールドに入力する場合
これらのエントリは、本製品の最新バージョンがインストールされた端末でのみ利用できます。以前のバージョンを実行している端末では、同期できないエントリの数が表示されるか、またはエントリ内の一部のデータを正しく表示できないことに関する警告が表示されます。
- 一部のエントリの種別が最新バージョンでサポートされなくなっている場合
これらのエントリはアーカイブされ、以前のバージョンを実行している端末間でのみ同期されます。本製品を更新すると、これらのエントリが変換または削除される場合があります。削除される前にエントリを保存することができます。アーカイブされたエントリは、無料版の制限数には含まれません。
- 一部のフィールドが最新バージョンでサポートされなくなっている場合
このようなデータは、最新バージョンまたは以前のバージョンのいずれかを実行している端末間で同期されます。これらのフィールドは、以前のバージョンでのみ編集できます。